前回は、リアモーター周りの組み立てについて解説しました。合わせて、ギアケース・リアアーム・リアシャフトの構造や機能、シャフト六角レンチ・セラミックグリ・ねじロック剤など使い方を交えて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回は、スパーギアやロールバーの組付けについて解説します。リア駆動部分は、今回でほぼ完成します。今回はスパーギアの取りつけ・ロールバー組み立ての順番でプロセスを紹介します。
あわせて、各プロセスにおいてラジコンカー駆動部分の構造・機能について説明すると同時に、工具などの使い方をトピックス的に差し込みます。
スパーギアの取りつけ
まずは、モーター周りにスパーギアを取りつけます。画像が組み立てパーツです。
左からスパーギア、ピニオンギア、レシーバーケースの順番で、右側にあるネジ(キャップスクリュー)・ワッシャー・イモネジを使って取りつけます。
組み立てる前の準備
レシーバーを枝から切り離すときは、専用工具のニッパーを使います
スパーギアには、セラミックグリスをしっかり塗っておきます
イモネジにもねじロック剤を塗っておきます。イモネジのような小さな部品はピンセットでつまみます。
ギアを取りつける
ピニオンギアのようにモーターからの負荷がかかるパーツは、絶対に動かないようイモネジで固定します…とよく見たら逆さにつけてました!
正しくはこんな感じです
引きで見たイメージです。
今度は反対側にスパーギアを装着します。
黒い軸にシルバーのシャフトを通している
のがわかりますか?
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スパーギア側のセンターには切れ込みが入っており、ここに軸側のシャフトがハマります。精巧に出来てますねー、たかがラジコン、されどラジコン。
スパーギアを装着しキャップスクリュー(ねじ)で固定します
最後にレシーバーケースをかぶせます。透明なので、メカニカル感に溢れてます。このケースは単に飾りではなく、モーターの防塵性を格段に高め、ホコリがもうもうのオフロードにおける走破力を向上させています。
モーター回転をタイヤに伝えるスパーギア
モーターの回転は高速すぎて、そのままではタイヤに伝えることができません。そこで両者の間にピニオンギア・スパーギアをかませ、モーターの回転数を減速させます。
左側のピニオンギアから右側のスパーギアに
動力を伝えます。
バギーチャンプは、標準でハイギア(左側)かローギア(右側)かいずれかのタイプを選べます。今回は、右側のローギアを選びました。
ギアの歯車数はT(teeth:歯)で表示されます。例えば画像の左側ハイギアはピニオンギア20T、スパーギア65Tです。右側ローギアはピニオンギア15T、スパーギア70Tです。歯車数は説明書にも表示されています。
ギアにも刻印されています。
ギア比のセッティングがラジコンカーの走破性を左右
トップスピードを優先するか、それとも坂路や悪路でのパワー発揮を優先するか、いずれもギアのセッティングがカギを握ります。
バギーチャンプの場合、ハイギアのギア比はスパーギア65T:ピニオンギア20T=6.5です。ローギアのギア比はスパーギア70T:ピニオンギア15T=9.3です。
ハイギアはトップスピードに優れ、オンロードとくにバックストレートの長いサーキットで威力を発揮します。ローギアは加速性能に優れ、オフロードや低速コーナーの多いサーキットを得意としています。
ロールバーの組み立て
次はロールバーの組み立てです。
パーツは左上から時計回りで、ロールバー・リアガード・アンテナポスト、キャップスクリュー(6mm&22mm))、ワッシャー、パイプジョイントです。
アンテナポストが珍しい構造なので、紹介します
キャップスクリューを挿しこみ、リアガードに固定できるようになってます
外側にもネジが切ってあり、アンテナをはめ込めるようになってます
アンテナポストを6mmキャップスクリューでリアガードに固定しました。
次にリアガードとロールバーを合体させます
合体には、パイプジョイントを使います。
パイプジョイントの穴に、リアガードの突起部分を挿しこみます。
パイプジョイントにキャップスクリュー22mmを通し、ワッシャー・ロックナットで固定します。なぜキャップスクリューがこんなに長いのか…それは後でわかります。
ジョイント部分をアップにしてみました。
ロールバー組み立て完成です
余談ですが、細かいパーツを取り扱う時は、ピンセットが便利です。
タミヤのピンセットは、きめ細かく研磨加工、さらにはヘアライン加工されていて、高級感をかもしだしてます。
なぜロールバーなのか
ロールバーがなぜついているのか、まずは「機能美」ではないでしょうか。黒とシルバーのコンビは、ボディー全体を引き締めます。同時にロールケージとして、耐衝撃性の向上にも寄与しています。
編集後記
バギーチャンプの中心部分がだいぶ出来上がってきました。次回はモーター・ギア、ロールバーに、シャシー・サスペンションを組み込んでいきます。