足回りで大切なのは、タイヤだけではありません。オフロードの激しい凸凹でも地面をガッチリ掴む、コーナー出口からの急加速でもボディーが浮き上がらない…タイヤを地面に押さえつけてパフォーマンスを最大限に引き出しているのが「サスペンション」です。
一方でサスペンションのセッティングは、タイプの選択・スプリングの堅さ調整・取りつけ角の調整といった要素が複雑に絡むので、ビギナーはハードルの高さを感じます。
そこで今回はビギナーのお悩みを解消すべく、サスペンションの特性・セッティングの基本やノウハウ習得法に関する情報を紹介すると同時に、セッティングの醍醐味をお伝えします。
サスペンションセッティングの基本を理解したい方、ノウハウの学び方がわからないと悩んでいる方は是非お読みください。
ベーシック編「ビギナーでもサスペンション調整」が大丈夫な理由
「ダンパーに注入するオイルはどれを選ぶべきか」
「サスペンション構造は走行性能にどう影響を与えるのか」
「車重とスプリングの強さはどうバランスをとるのか」
「スプリングを堅くするとどのようにダンパーの取りつけ角度が変化するのか」
サスペンションセッティングに関して、さまざまな疑問や悩みの声を私たちもよく耳にします。
サスペンションセッティングは、一見複雑そうに見えますが、実際にいじるポイントは限られており、全部を理解する必要はありません。覚えるべきコツは絞り込めるのです。
この章では、サスペンションセッティングの「コツ」について、基本となるいくつかを紹介します。
サスペンションの役割を理解しよう
ダートにせよオンロードにせよ、ラジコン走行において、タイヤが路面にしっかりと接地していられるのはサスペンションが機能しているからです。
そしてサスペンションセッティングの良しあしは、走破性を大きく左右します。
タイヤは高いグリップ力を備えていますが、サスペンションが機能していなければコーナリングや加速で威力を発揮できません。同時にサスペンションは、地面から受ける衝撃を吸収し、車体を保護する役割も担っています。
さらに、オフロード・オンロード・ドリフト走行・高速コーナー・低速コーナーなど走行状況によってサスペンションへの負荷は変わってきます、どういった走行シーンを想定・優先するかでセッティングも変化するのです。
サスペンションの種類と構成
リジッドアクスル、マルチリンク、マクファーソンストラットなど実際の車では、コストや実用性にも配慮したさまざまなタイプのサスペンションが使われます。一方でラジコンの多くでは、ダブルウィッシュボーンの独立懸架方式が採用されています。この方式は、実車ではレーシングカーなどで広く使われます。
4本のタイヤが独立して動くので、接地力が高く、さらには豊富なセッティングが可能なのが特徴です。
サスペンションは、ボディーと繋がりかつ上下に動くアーム、アームを制御するスプリングとダンパーで構成されています。この構造の理解が、サスペンションセッティングには欠かせません。
スプリングとダンパーの固さを合わせる
重ければそれだけ車体が沈み込みやすいので、スプリングは堅いタイプを使います。エンジン・モーターをパワーアップしたときも、タイヤへ負荷がかかりやすくなるのでスプリング調整が必要です。このときに合わせて調整したいのが、ダンパーの効きです。スプリングとダンパーが適合していないと、走りが不安定になります。
ダンパーは、注入するオイルの粘度・ピストン穴の有無や数によって調整します
レッスン編「独学でサスペンションセッティングを覚えているが不安」が大丈夫な理由
「独学だけでサスペンションをいじってるけど間違っていないのかな」と不安を抱くビギナーのみなさん、大丈夫です。この章では、ラジコンメーカーや販売店が開催するレッスンの機会(リアル&オンライン)を紹介します。
オンライン:皆で盛り上がろう! 『SNSでEnjoy!タミヤRC』
ラジコン好きが集まって、セッティングや走りなどさまざまなラジコン情報を交換しているサイトのランディングページです。サイトを運営するタミヤスタッフからのとっておき情報発信も要注目です。
実践で腕を磨く!「タミヤチャレンジカップ」
本格的に競い合う「タミヤグランプリ」に対し、ビギナーでも気軽に参加できるのが「タミヤチャレンジカップ」です。全国のタミヤ販売店で開催しています。
ラジコンにおいてタイヤ・ギアのセッティングが楽しい理由
ラジコンのコンプリートキットを買ってくれば、サスペンションをいじらなくても、そこそこ楽しめます。しかし、それではラジコンホビーの醍醐味を味わえません。
スプリングの固さを変えたのにかえってコーナリングが悪くなった、といったこともあるでしょう。トライアンドエラーを繰り返しながらゴールにたどり着くからこそ、セッティングは面白いのです。最初からうまくいったら面白みは味わえませんし、ラジコンの奥の深さを知ることもないのです。
ビギナーのみなさんも、「面倒だけど奥の深い」サスペンションセッティングを堪能しましょう。
まとめ
初心者のみなさんも、サスペンションセッティングの基本を学んだうえで実地でを試しつつ、走りの違いを楽しみましょう。
さて、次回は最終回、ボディのペインティングについてご紹介します。