小学校低学年や幼児が遊ぶようなトイラジコンと違って、ハイスペックなパフォーマンスを楽しめるのがホビーラジコンの魅力であり、代表格がエンジンであり高出力のモーターといったパワートレーンです。
一方でセッティングやメンテが難しくビギナーでは手に負えない、といったイメージからハイスペックなパワートレーンが敬遠されることもあります。実際に「一人でエンジンカーをメンテしたり調整するのは正直難しい」といった悩みの声は多いようです。
そこで今回の記事では、お悩み解決につながる情報を提供すると同時に、ハイスペックエンジン・モーターの楽しさを紹介します。
電動ラジコン編「ビギナーでも高性能な電動モーターが」大丈夫な理由
ビギナーのみなさんからは、「高性能な電動モーターはパワーダウンやコントローラーとの相性が心配」といった声をよく聞きます。
こうした悩みも、モーターの基本がわかれば解決はそれほど難しくはありません。実際のところ、馴らすのが難しい「じゃじゃ馬」エンジンカーと比較すれば、電動カーのメンテやコントロールはイージーです。
ポイントになるのは消耗パーツの交換と慣らし運転といったメンテナンスです。
モーターにはマメなメンテナンスを忘れずに
ラジコン走行時には毎分20000以上で回転する電動モーター、当然各パーツには大きな負荷がかかり、使用しているうちにパワーも落ちてきます。
レースに使用する場合はモーターをこまめに手入れしないとあっという間に使い物にならなくなりますし、通常のサーキット走行や空き地で走らせたりする場合でもある程度メンテナンスは必要です。
走行によるパワーダウンの多くは、ブラシの摩耗とローター(整流子)部分の傷みが原因です。
ハイスペックタイプのモーターはブラシ・ローターが分解可能で、スペアブラシに交換ができるようになっています。
その他に、雑電波をおさえるノイズキラーコンデンサーが外れかけているようなら、ハンダなどで取り付けなおしましょう。
日常的には慣らし運転させるとベスト
ブラシを交換しないまでも、日常的な慣らし運転によりブラシ・整流子のコンディションを良好な状態に保つことができます。
まずモーターを車体から外したら、慣らし運転用のパワーステーション(1000円前後)などにモーターをつなぎ、電圧2-3Vで15分から20分間から回しすればOKです。慣らし運転の際には、油膜切れを起こさないようにオイル(ベアリングオイル・メタルオイル)をこまめに差しましょう。
なおクリーナーブラシを使えば1時間近く回していられますが、そこまでは必要ないかなっていうのが個人的な意見です。
ブラシレスモーターはメンテナンスフリーだが
ブラシレスモーターはブラシがない分だけ、ブラシモーターよりメンテナンスの手間が大きく省けるうえに走行中のパワーダウンも少ないのが特徴です。相対的に高価なブラシレスモーターですが、最近はハイパワー型が上級者の間でも人気を集めています。
ただしハイパワー化しているだけにシャフトやベアリングに負担がかかりやすいので、粘度の高いオイルやクリーナーによるメンテナンスは欠かせないようにしましょう。ブラシモーターは消耗品的な使い方も可能ですが、ブラシレスは高価なのでメンテナンスは必須なのです。
みなさんもメンテナンスの基本を身につけて、ハイスペック電動モーターを楽しみましょう。
エンジンカー編「ビギナーでもエンジンカー」大丈夫な理由
「エンジンカーに挑戦したいが電動ラジコンよりけた違いにハードル高い」悩むビギナーの方も多いでしょう。
確かにエンジンカーの取り扱いは技術が必要ですが、一部サーキットに行けば基本を教えてくれます。
講習会でエンジンカーの基本を学ぼう
(エンジンRCカー講習会 in タミヤ掛川サーキット)
URL:https://www.tamiya.com/japan/event/tamiyaGP_20210425kakegawa
タミヤ製エンジンカーオーナーを対象とした、無料の講習会です。エンジンのスタートアップ・慣らし運転・アイドリング回転数の調整など、ビギナーがつまづきやすいエンジンの取り扱い方法をタミヤの専門スタッフが教えてくれます。
慣らし運転の基本を知ろう
ブレークイン(慣らし運転)は、エンジンカービギナーに立ちはだかる最初の関門です。講習会で教えてもらうにせよ、基本は知っておきたいところです。
そもそもなぜ慣らしが必要かといえば、ピストン・シリンダー・クランクなどのクリアランスを適正に保つためです。とくにフル走行時のエンジンは高温にさらされるので、慣らし運転時も同じ状況を再現します。
最初はから回しで次は走行状態で慣らし運転をかけますが、ドライヤーでプラグやエンジン本体を温度調整したり、エンジン音を聞きながらニードルを絞ったりといったコツが必要です。
ビギナーの方も、エンジンカーの基本を学ぶため、積極的に講習会を活用しましょう。
ラジコンのハイスペックモーター・エンジンが楽しい理由
ハイスペックモーター・エンジンが少し扱いずらいのは事実ですが、心配はいりません。なぜなら、メンテナンス自体も楽しみの1つだからです。
最初からスムーズにエンジンが動くのでは、かえって面白くありません。見よう見まねでプラグ・シリンダーなどを温度調整…こうした面倒くささが楽しいのです。同時に、面倒な作業を通じて、エンジンのメカニズムも徐々に体得できます。
慣らしが終われば、本格的走行に入ります。圧倒的な加速力・吹きあがる排気音・そしてオイルの匂いは何物にも替えがたい魅力です。
みなさんも、メンテナンスの面倒さも含めて、ハイスペックマシンの醍醐味を味わいましょう。
まとめ
この記事を通じて、ビギナーのみなさんにハイスペックマシンのハイスペックエンジン・モーターのメンテナンスや魅力を少しでもお伝え出来たら幸甚です。
みなさんもぜひチャレンジしてみませんか?